Arabicabeans’s diary

認知症の母とMCIの父の介護記録

新しいブラウスは、どこへ?

先月は、母の85歳の誕生日だった。

もう、何年新しい服を買ってないんだろう?と思うほど、いつも同じ服を着ていたので、新しいブラウスを誕生日にプレゼントした。

                    

あげた時は、母も、「若そうで、いいわ❤」といって、とりあえず、喜んでいるようだった。

しかし、今更ながら、私は母が新しいものを受け入れられないことを忘れていた。

プレゼントをもらった、その時は認識できるが、私が家に帰った後、その真新しいブラウスを見たとしても、それが自分へのプレゼントで、自分のものになっているということは、認識できない。

昔から着ている古い服は、何となく見覚えがあるので、違和感なく毎日着ている。が、見たこもない新しいブラウスは、他人のものだと思うようだ。

毎日、ペットカメラを覗いて、両親の様子を確認しているが、私があげたブラウスを母が着ているのを、未だかつて見たことがない。

それどころか、あれから約1ヶ月がすぎ、何回か帰省し、そのブラウスを探したが、未だに、見つかっていない。

せっかく、あげたんだから着てもらおうと、母がいつも着ている服を置く所、リビングの物入れ、寝室など、考えられる場所は、くまなく探したが、どこにもない!

母は色々な能力を失っているが、物を他の人が探せないところへ隠すという、この能力には、脱帽する。

去年、実家に行った際に、私は腕時計を忘れてしまったが、それも、未だに見つかっていない。

母は、一旦、自分のものでないと認識すると、誰かの忘れ物か何かと考え、どこか奥の方にしまってしまう。一応、他人のものなので、大事にしまっておいて後で、返してあげようと、その場では考えているのだろう。

しかし、その記憶は、すぐになくなってしまうので、色々なものが行方不明になる。

最近、汚れた布巾にも無頓着になって、私が真新しい布巾に替えてくるのだが、毎回、行くたびに私がかけてきた新しい布巾は消えている。

おそらく、ヘルパーさんか誰かが、忘れたタオルだと思って、しまってしまうのだろう。

もう、母にプレゼントを使ってもらうことは、無理なのだろうか?

あの新しいブラウスは、何処へ?