Arabicabeans’s diary

認知症の母とMCIの父の介護記録

まさか?夫も認知症? (1)

それは、あまりにも突然だった。

私は、前日から咳が出ていて風邪気味だった。午後には38度の熱も出てきた。私は前日から葛根湯を飲んでいたが、それがもう少しで終わりそうだったので、夫がすぐ近くのドラッグストアで買ってきてくれると言って、出かけていった。


私が寝室で寝ていると、夫が葛根湯を持って来てくれた。しばらくすると、また寝室に入ってきて、「今、ぼく何してたんだっけ?」と聞いてきた。


まあ、そんなことは、私にはよくあることなので、気にも止めず寝ていた。すると、また戻ってきて、同じことを言う。


2回目ぐらいは、気にはならなかったが、3回、4回と同じことを言ってくるので、何か異変を感じ、寝込んでいた私も、起きざるをえなかった。


「今日は何曜日?」私は、「月曜日だよ。」と答えると、「月曜日なのに何で家にいるのかな?」と聞く。

「祝日だから、昨日から出かけて、今日帰ってきたんだよね。」と答えると、「どこにいったの?」とまた聞いてきた。

「用があったついでに、秩父のビジネスホテルに泊まって、今日帰ってきたよね。」と言うと、「秩父?何で秩父に行ったの?」

「ぼくも行ったの?」



このやりとりを何十回も繰り返した。まるで、母との会話のようである。もっとも、母は色々なことに対しての興味も失せてしまっているので、何かに対して積極的に質問をしてくることもないが...。


このときの夫は、直近の記憶が何もないらしく、また説明してもその場で忘れ、同じ質問を何十回も繰り返していた。


まさか?夫も、認知症? 私は、母、いや母と父に加え、認知症の夫の介護もしていかなければならないのか?と思い、38度あった熱も冷めてしまったような気がした。


しかし、母はだいたい7年間ぐらいかけて、ゆっくり今の状態まで進行してきた。夫は、たったの1時間ぐらいで、急にこの状態になってしまった。どういうことだ?


この記憶障害は母のとは違うだろう。その日、出かけた地域は最高気温39度を記録していた。暑さのせいか? または、脳出血脳梗塞などの何らかの脳の異常が起こり、記憶障害を起こしているのではないか?



その日は、休日でしかも、もう19時過ぎていたので、救急外来のある病院に電話した。本来なら私が救急外来へ連れていけばよいのだが、私が熱があり、病院に入ることができないので、救急車を呼んで相談したほうがよいと言われ、とりあえず、救急車を呼んだ。